NAGOMI VISITは私にとって、日本の良さを伝え、海外の良さを見つける時間

NAGOMI VISITホストの方へのインタビューをご紹介します。今回は、広島にお住まいで2人の息子さんとご家族で受け入れをされているホストの北谷さんへお話を伺いました。

事務局)北谷さんは2015年にNAGOMI VISITのホストとして登録をされて、休会をされていた期間もありつつ、これまでに合計で6回の受け入れをされていらっしゃいます。これまでの交流で、特に記憶に残っているエピソードはありますか?

1北谷さん)2015年オーストラリアから親子2人をお迎えしました。お母さんの方は、シーフードにアレルギーがあり、息子さんの方は、体調の関係で少食の方でした。苦手なものを出してしまったらどうしようとか、食事の量が多すぎて嫌な思いをされないかという不安があり、喜んでいただけるか心配でした。でも、ダメなものははっきりと断られ、食べられるものを喜んで食べてくださり、会話も弾み、とても楽しく過ごせました。国は違っても、人はみんな同じだなぁ、と改めて感じた瞬間でした。お土産にコアラとカンガルーのぬいぐるみをくださり、子どもたちは、とても喜んでいました。その後もメールでやりとりをしており、2017年の冬、また日本に来られた際、再会しました。その時は、錦帯橋に出かけ、観光をしました。次は、こちらがオーストラリアに行きたいです。

事務局)逆に、「これはちょっと失敗しちゃったな」ということはありましたか?

北谷さん)オランダから来られた女性2人をお迎えしたときのことです。待ち合わせの駅で不安そうにキョロキョロされるお2人を見つけ、予定時刻に遅れたわけではなかったのですが、到着時刻より先に待っててあげられたら、安心されただろうなと感じました。知らない国の知らない駅ですからね。しかも、小さな駅なもので。子どもたちが、私たちの車から「ハ〜イ!」と言うと、ホッとされた表情でした。

事務局)数年前、ホームビジット終了後に「うちの子どもは1才と4才なのですが、外国の方を見ても、動じなくなりました。すごいです。」とご感想をいただきました。ホームビジットの受け入れを始める前と後でのお子さんの変化を教えてください。

北谷さん)現在、長男は7歳、次男は4歳になりました。

2人とも外国の方を見ると、惹きつけられるように自分から話しかけていきます。広島市に住んでおり、平和公園や宮島が近いこともあって、観光客の方が多い地域ですので、触れ合うチャンスは多いかと思います。今は、2人とも英語教室に通っています。習い始めたきっかけは、NAGOMI VISITで出会った方に会いに、ベルギーに一緒に行ったときのことです。長男が、「母さん!僕、英語習いたい。」「おっ!なんで?」「だって、母さん、外国の友達いっぱいおるじゃーん?じゃけぇ、話せるようになったら僕も話せるじゃーん!」嬉しい言葉でした。その後、国旗の絵本と地球儀を欲しがり、購入しました。好きなテレビ番組の1つに、「世界ふしぎ発見」が入っています。

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事務局)ホームビジット後も友人としてつながり、良い関係性を築いているゲストはいますか?過去には、以前受け入れをしたベルギーのゲストを訪ねる逆ホームビジットもされたと伺いました。ゲストと、ホームビジット後も良い関係性を維持するためにしていることがあればぜひ教えてください。

北谷さん)6組の方、皆さんとfacebookとmessenger、e-mailのどれかで繋がっています。お互いの様子をfacebookで見合っていると、なんだか近くにいる感じがして、繋がりが感じられます。特に、日本らしい出来事があったときには投稿しており、コメントをくださるので嬉しいですね。e-mailだけの方は、クリスマスなどのイベントの時に、近況報告がてら連絡をします。とても喜んでくださいます。手紙を書いて送ることもあります。子どもたちが、やっと覚えたアルファベットで書いた手紙は、お互い心が温かくなります。

ベルギーの方は、父と息子のお2人で来られました。2016年2月ごろ来られ、「是非ベルギーに来てね。その時は案内するよ!」とおっしゃってくださったので、じゃあ!っと思い切って、私の両親も誘ってその夏に行かせてもらうことにしました。夕食にご招待いただき、すてきなB&Bも教えてもらい泊まることができました。丸々2日間、観光にも付き合ってくださり、最高の思い出になりました。また、来年日本に来られるそうで、3度目の再会が楽しみです。

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事務局)北谷さんは、お仕事への復帰等で一時的にNAGOMI VISITを休会されていた期間もありましたが、「また受け入れを再開しよう!」と思われたのは、どうしてですか?

北谷さん)私にとっても、子どもたちにとっても、NAGOMI VISITは素敵な出会いだと思っています。来ていただいた際には、いつも地図帳に名前を書いたシールを貼ってもらうようにしていますが、その数が増えると、世界がとても近く感じられます。NAGOMI VISITは、私にとって、日本の良さを伝え、海外の良さを見つける時間です。仕事が忙しくても続けたい活動です。

事務局)NAGOMI VISITは、ホームビジットの活動を通して1人1人が多様性を経験し、言葉や国を超えて相手と認め合い尊敬し合う関係性を築いていくことのできる社会を目指しています。北谷さんは、NAGOMI VISITでホストを始める前と今を比較して、このゴールに近づいていると感じますか?

北谷さん)ホストを始める前は、主人や子どもたちは外国の方についていろいろと遠くから見ていた気がします。でも、ホストを何度か経験するうち、カタコトの英語、ジェスチャーでコミュニケーションを取り、お互いを知り合おうとしているように感じています。

相手を認め合い尊敬し合うことは、日本人同士でも大切ですが、結構難しいものですよね。でも、なぜか国や言葉が違っても、短い時間の中だからこそかもしれませんが、外国の方との方がお互いの文化を知るために、積極的に関われる気がします。特に、NAGOMI VISITに興味を持たれて利用される方は日本が大好きです。ですから、私たちも日本の良さを伝えるかいがありますね。

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事務局)最後に、これからのNAGOMI VISITに期待することを教えてください。

北谷さん)ゲストの方の複数のリクエストに、ホストが複数答えられることができるようになったのは、とても嬉しいです。期待ということではないですが、同じ日の昼なら受け入れできるのになぁ、前日ならいいのになぁ、など、こちらのリクエストを出したくなるときがあります。NAGOMI VISITは、旅行者にも私たちにも面白い経験ができるチャンスを与えてくださる団体です。広く都道府県に広がって欲しいです。