デンマークの新聞でご紹介いただきました

7月末にデンマークの新聞「Politiken」でNAGOMI VISITの活動をご紹介いただきました。

土曜日朝刊の旅行欄で、見開き1ページ大きく取り上げていただきました

2014 年 7 月 26 日付 Politiken 掲載紙面。土曜日朝刊の旅行欄で、見開き1ページ大きく取り上げていただきました

今回、Politiken社から許可をいただくことができましたので、日本語に翻訳した全文をご紹介致しますね。

オリジナル記事URL : http://politiken.dk/rejser/temarejser/ECE2350826/familien-watanuki-inviterer-turister-paa-et-hjemmelavet-maaltid/
テキスト・写真:Asger Røjle

家庭料理で異文化理解を促進

情熱的な2人が、海外からの旅行者を日本の食卓にご招待

東京郊外のある一般家庭で、2人の男性が折り紙で鶴や兜を作って楽しいひとときを過ごしている。日本人のマサオさんは、デンマーク人の Frank よりも上の世代だ。奥さんの英語通 訳がないときには、共通の言語がない。にもかかわらず彼は、折り紙の素晴らしい世界を若い デンマーク人ゲストに伝えることを楽しんでいるようだ。

普通、この2人が出会うことはまずない。Frank とその恋人が日本を旅行中に日本の家庭に入っ ていくという経験を得る機会もない。そして、
このご家族にとっても30年住んでいる 中浦和の我が家に外国人が訪れるということはこれまでなかった。

この、型にはまらない2つの家族の出会いは非営利団体の Nagomi Visit によるマッチングによ って実現した。
Nagomi Visit のコンセプトは、世界中の旅人が日本人家族の家を訪れる機会を得て、日常の食卓に参加することだ。「家庭料理を通して異文化理解を促進する」をミッションとして掲げウ ェブサイトで紹介している。

リエコさんは、地元の小学校で英会話の先生をしている。彼女は今年、新年の新聞で Nagomi Visit の記事を見つけ、すぐにホストとして志願したという。「新しい趣味になりました」と彼 女は説明してくれた。既に、カナダ、スペイン、アメリカからのゲストが訪れている。彼女と 彼女の夫が Frank と Julie を地元の駅に迎えに行った今回で、4回目の受け入れとなる。

Julie は先月、様々な日本に関するウェブサイトを見ていた時に Nagomi Visit のバナー広告を 見つけた。そしていよいよ彼女と Frank に、訪日旅行という彼らの夢を実現する機会がやって きた。彼らは以前、別の国で一般家庭を訪れる経験をしており、またウェブサイトには以前参加した ゲストからのポジティブな口コミが多く載っていたことから彼女は東京で Nagomi Visit に参加 する申込をした。「(申込は)すごく簡単でした」と彼女は言う。

近所を散歩

駅で落ち合った後まず、(ホストである)日本人家族は彼らの住むエリアを紹介した。
彼らはゲストを連れて、年中無休で新鮮な食料品を売っている地元のスーパーマーケットへ案内した。 日本ではこの4月から消費税が5%から8%に上がったところだが、デンマークでは25%の 消費税でも大きな不満なく生きていけていることを知ったときにはたいそう驚いていた。リエコさんの自宅では、彼女が庭の小さな鉢に入った盆栽を紹介した。そこは、子供達が小さ い頃は砂場として使っていたところだそうだ。Frank と Julie は盆栽とは特殊な植物ではなく、 時には実がなることを知り、また多くの日本人がいかに効率的に土地を使っているかということを実感したという。

リエコさんはその他にも、ゲストに家中を案内するという、日本人のお母さん全てがしてくれ るわけではないこともしてくれた。ゲストに家の部屋を見せて案内をしたが、途中で23歳の ハナエさんが(片付けると約束したのに)十分でなかったところまで見つけてしまったようだ。

2組のカップルはお互いに良い出会いにするために十分な準備があった。リエコさん一家はスナック とケーキを用意し、ご主人のマサオさんは Frank に日本の計算機であるそろばんの使い方を紹 介してみせた。Julie と Frank はデンマークのお菓子、ラクリスとその他のお土産を持参し(綿 貫家ではデンマーク特有の、この独特な味のするラクリスを気に入ったのはリエコさんだけだ ったようだ)、合わせて持参したタブレットで彼らが最近購入した Greve の家を紹介すると、 「まあ!あなた方のお庭はとっても広いですね」と羨望の声が上がった。

友情を作ろう

Nagomi Visit は5年前に楠めぐみさんが デンマークに初めて訪れたときに得たアイディアが 元になり設立された。

「デンマークで地元の家族に夕食に招待され、見るもの全てが私にとっ て初めてで、そこからデンマークについて多くの事を学びました。これは旅行者にとって素晴 らしい経験でしたので、日本にやってくる旅行者にも同じ経験を提供したいと思い、Nagomi Visit を始める決心をしました」と現在はデンマーク在住の彼女は語った。彼女は日本にいる友 人とともに組織を立ち上げた。彼女たちは非営利の原則がとても重要だと強調している。ゲス トの参加料金は完全に固定されている。これは、参加者同士が価格交渉をしその結果料金が組 織に支払われるということを意味しない。「Nagomi Visit は友情を構築するためのものであっ て、ビジネスのためのものではないということです。」とめぐみさんは言う。

2011年の設立以来、40カ国から810名がゲストとして日本の家庭を訪れ、日本全国 に143件のホストが登録している。その数は年々劇的に増加しており、最近では衛生放送の BBC ワールドが Nagomi Visit を紹介し、さらにブームを巻き起こしている。「日本に古くから ある<同じ釜の飯を食う>ことでお互いが近づくことができるということを、私たちは強く信 じています」とめぐみさんは説明してくれた。

Julie と Frank が家族の食卓に座った時には既に、最初のぎこちなさはなくなって いた。娘さんのハナエさんは Frank がリビングルームで見事なけんだまのスキルを披露してく れたことに関心し、キッチンでも Julie と Frank はリエコさんと一緒に過ごした。
この日のメニューは、マグロステーキ、ちらし寿司、天ぷら、ほうれん草の胡麻和え、そして 味噌汁。「素晴らしいですね!こういった食事を毎日食べるのですか?」とJulieが尋ねると、 「うーん、実はゲストがいないときには2品は少ないかしら」とリエコさんは答えていた。